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ニュースアカウント用テスト①英字新聞の編集長が選ぶ!今を知るトレンド英語

NHK出版

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世の中では日々新しいことが起き、それに伴って新しい言葉も次々に生まれています。この連載では、そうした英語の新語や、何かのきっかけで急に使われるようになった言葉、世相を反映する語句などを紹介していきます。

『The Japan Times Alpha』編集長 高橋敏之

 第4回 新しい旅行スタイル

欧米の人たちの休暇の過ごし方と言えば、リゾート地で数週間のんびりと休みを満喫するというイメージをお持ちの方もいるかもしれませんが、近年人々の価値観やライフスタイルが多様化するのに伴い、今までになかったような旅行のスタイルが生まれてきています。今回は、そうした「新しい旅行スタイル」に関する言葉をいくつかご紹介しましょう。

イラスト/飯田研人

staycation(地元や近場で過ごす休暇)

staycationという字面を見てピンときた方も多いでしょうが、これはstayとvacationを合わせた造語。「(海外旅行や、宿泊を伴うような遠出をすることなく)近場で過ごす休暇」を表す言葉で、近所の公園に出かけたり、家でのんびり過ごしたりすることなどを指します。リーマン・ショックに端を発する2000年代の世界金融危機の間に、低予算で楽しめる休暇の過ごし方として人気が高まりましたが、現在のコロナ禍において再び注目が集まっていることは言うまでもありません。

例文

The best alternative to taking a costly vacation is to take a staycation instead.
(お金のかかる休暇の代替案としてベストなのは、代わりにステイケーションを取ることだ)

I’m going to book a local hotel for my staycation.
(ステイケーションのために地元のホテルを予約する予定だ)

set-jetting(映画やドラマの舞台になった場所へ旅すること)

日本では、主にアニメの舞台となった場所に出かける「聖地巡礼」がブームになったことがありました。一方、海外でも映画などのロケ地へ旅行する人が近年増えており、これはset-jettingと呼ばれます。この語はjet-setting(ジェット機で世界を飛び回る)をもじったもので、set(撮影現場)という語からロケ地へ旅行するというニュアンスが伝わります。set-jetterは「そうした場所に行く人」。例えば、映画『ザ・ビーチ』の舞台となったタイのビーチに押し寄せた観光客などを指す言葉です。

例文

Set-jetting is a new trend where people travel to the locations of their favorite movies.
(セット・ジェッティングは好きな映画のロケ地を訪れる新たなトレンドだ)

Set-jetters are blamed for the closure of Thailand’s Maya Bay, made famous by the movie The Beach.
(セット・ジェッターたちが原因で、映画『ザ・ビーチ』で有名になったタイのマヤベイは閉鎖された)

astrotourism(天体観察など宇宙に関連した旅行)

astronomy(天文学)やastronaut(宇宙飛行士)などのastro-は「宇宙」に関連した意味を表す接頭辞。ではastrotourismとは何か? これは光の少ない山間部などに出かけて星を観察するなど、宇宙に関連した旅行を意味する造語で、近年人気が高まっています。この他、dark tourism(原爆ドームなど人類の負の歴史となった場所を訪ねる旅)や、philantourism(ある土地の観光業支援のため、そこを訪れること。philanthropyは「慈善」)など、旅の形式も多様化してきています。

例文

Astrotourism is a type of tourism designed to observe starry skies.
(アストロツーリズムは、星空の観察を意図した旅行だ)

Astrotourism is on the rise. More and more people are venturing to places with dark skies.
(アストロツーリズムが人気だ。ますます多くの人が夜空の暗い場所へと出かけている)

「知っているつもり」になっていない?

いわゆる日常英会話で使われる言葉はtakeやgetなどの基本語が大半を占めます。「なんだ、簡単な単語を知っていれば会話ができるのか」と思われたかもしれませんが、我々は本当にtakeやgetの用法を知っていると言えるのでしょうか? 例えばtakeを何となく「取る」という意味で押さえている人も、take my order(私の注文を取る)、take it seriously(それを深刻に受け取る)、take action(措置を取る)などをサッと使えますか? 英語学習歴が長い人ほど「takeを知っている」なんて軽々しく言えないものです。こうした基本語の用法に精通するコツは「観察」。英語に触れる際に、基本語がどのように使われているか、しっかり観察する習慣を付けましょう。

教えてくれた人

高橋敏之

学習に特化した週刊英字新聞『The Japan Times Alpha』編集長。慶應義塾大学卒業後、英語講師、英語教材編集者を経て、2007年にジャパンタイムズ入社。2012年10月より現職。本職の傍ら、英語学習や英字新聞活用法などに関する講演も多数実施。TOEIC 990点、英検1級、動物検定3級。著書『英語 最後の学習法』(ジャパンタイムズ出版)。