今月のオススメ、3つめは「趣味の園芸 運命の一鉢と出会う」。
育てやすい品種も多く、インテリアにもなる多肉植物が、今、大人気ですね。
多肉植物の中でも、独特のフォルムにひかれる人が続出しているのが「コーデックス」。
太く盛り上がった根から突然様々な形の葉や花が生えていたり、その不思議な姿はひと目見れば虜になること間違いなし!
今日は未知なる植物「コーデックス」に注目していきたいと思います。

“コーデックス”という名の植物はない

園芸初心者には、あまり馴染みのない「コーデックス」。一体どんな植物なのでしょうか?

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コーデックスという名の植物はなく、根や茎を肥大させた多肉植物の総称です。
生まれ育った地は、乾燥地帯や寒暖差の激しい地域。
厳しい自然環境で生き抜くために、水分や養分を根や茎に蓄え、肥大しました。
決して整った姿ではありません。
しかし、そこには人の手では決してつくり出せない自然の造形美があります。
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「趣味の園芸9月号」では、園芸家 靏岡英明さんが多種多様なコーデックスを紹介してくださっています。その中からかっこいいコーデックスをピックアップしてみました!

パキポディウム

キョウチクトウ科で、多くの自生地はマダガスカル。ふっくらしたボトル形の姿が特徴。

パキポディウム・ナマクアナム 光堂

幹の先端に広がる波打つ葉も目を引く。分岐せず、円柱状の幹が太くなる。ほかのパキポディウムに比べて気難しく、猛暑や厳しい寒さは苦手。梅雨どきの雨ざらしはNG。

ユーフォルビア

トウダイグサ科で、世界に2000種ほど分布し、姿形は変化に富む。

ユーフォルビア・トリカデニア

ユーフォルビアには珍しくぷっくり壺形の塊根をもち、表面には割れ目が入る。すぼまった先端から細長い葉を伸ばす。春に咲かせる花の形も個性的。

アデニア

トケイソウ科のつる性植物。塊茎部が緑とベージュ系のツートンカラーのものが多い。

アデニア・エレンベッキー

塊茎部の色はくっきり分かれ、上部はグリーンで成熟した下部はグレーに。深い切れ込みがある葉を広げ、花はクリーム色でスモモに似た赤い実をつける。

まだまだあります!かっこいいものたち

キフォステンマ・ベティフォルメ

塊茎が肥大するにつれて、なめらかな表皮がはがれ落ちる。葉の大きさは産地で異なり、冬に落葉する。樹形は個体差が大きく、生育は遅め。小型種で黄色の花を咲かせる。

園芸家 藤川史雄さんに聞く、植物の楽しみ方

ここまでで「コーデックスを育ててみたい!」と思った方も多いのでは?
しかし、コーデックスは成長が遅く、自分で育てて大きくするには時間がかかる植物なのです。
だからといって諦めるのはまだ早い!9月号では、比較的成長が早い植物の中から「コーデックス的」に育てられるものを紹介しています。
ここでは、9月号で「コーデックス的」植物を紹介してくださっている園芸家 藤川史雄さんに植物の楽しみ方を聞いてみました!

「もっと自由に楽しんでほしい」

自分の感性を信じる

 私はヒーローよりも怪獣が好きな子どもでした。好きになる植物、育てている植物も、どこか怪獣のような、変わったものばかりです。そこには不気味さや妖艶さも含まれており、そういうものになぜだか惹かれるのです。怪獣を「かっこいい」と感じていた子どものころの感覚のまま、ここまで来てしまいました。
私は「コーデックスだから」「ブロメリアだから」育てているのではなく、そんな魅力を感じたから育てているわけです。みなさんもそれぞれ、子どものころから好きなものには、何か傾向があるのではないでしょうか。
ジャンルの枠にとらわれず、その感性で、「格好いいな」「かわいいな」「好きだな」と思った植物を選び育ててください。好きなものならもっと知りたくなるし、枯らしたくないので、栽培も上達するはずです。

育て方もあなたしだい

 さらに楽しみ方ももっと自由でいいと思います。
例えば私は、自生地を思い起こさせるようなワイルドな状態を再現したいと思っているので、今回紹介した株たちも、厳しく育てており、栽培年数に比べてサイズが小さかったり、枯れ葉が残っていたりします。私はそんな「枯れ感」も魅力と考えています。
でももちろん、大きくしたいと思って、肥料や水をたっぷりやるのも一つの楽しみ方ですし、枯れ葉はすべて取ってきれいな状態を楽しむこともできるのです。どんな姿にしたいか、どんな姿が好きなのか、それによって育て方も変わってきます。
違うジャンルの植物でも、「コーデックス的」にも楽しめるという今回の内容で、楽しみ方は自由だ、ということが少しでも伝わるとうれしいです。

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