1月のおすすめトピック3つめは、「趣味の園芸」1月号より「新春を寿ぐ 縁起物植物」です。
松竹梅など日本に古くから伝わる縁起物植物たち。今回は、そんな植物たちが”縁起がいい”と言われるようになったゆえんを園芸家 小笠原誓さんに教えていただきました。ゆえんを知れば、ますます育てるのが楽しくなりそう。それでは新年にぴったりな縁起物植物を見ていきましょう。

難を転ずる ナンテン

●いわれ● 万事成就する縁起木ともされる

「南天」という和名は、漢名の「南天燭」を簡略化したものと考えられていますが、〝難転〟、つまり「難を転じて福となす」に通じることから、吉祥木の一つ、迎春の花木としてよく用いられます。また〝成天〟という字の当て方もあり、「万事成就する」と考え、縁起のいい木ともいわれます。

常緑樹なのに紅葉

一般的に紅葉するのは落葉樹で冬には葉がなくなります。ナンテンは常緑樹ですが珍しく紅葉します。冬に赤い実と葉を楽しめるのも愛される理由の1つです。

財運上昇! 金のなる木

●いわれ● 5円玉が生えたように演出

金のなる木のルーツをたどると、江戸時代にさかのぼります。天保年間に、長ちょうせいしゃしゅじん生舎主人が著した『金きんせいじゅふ生樹譜』という出版物があります。金生樹というのは、いわゆる〝金のなる木〟。当時はオモトやマツバランなどが高価で取り引きされていました。

現在、金のなる木といわれている「花月」「華花月」「満天の星」などが現れたのは、昭和になってから。戦後、ある農家が、花月の新芽に5円玉を通し、その状態で置いた。すると、あたかも5円玉が実ったようになったのです。それを金のなる木として売り出したところ、大ヒット商品となったのです。

子孫繁栄・長寿 ダイダイ

●いわれ● 長期間、実を残す 木から落ちない

見た目はミカンに似ていますが、ダイダイは長期間にわたり枝に残ります。ときには3年分の実が混在。冬に熟して橙色になっても、翌春には緑色に戻ります。木から落ちない、年をまたいで実を残す。「ダイダイ」(代々)という名もそこに由来しています。これをもって子孫繁栄、家運隆盛、長寿の象徴とされます。鏡餅やしめ縄に使われるのも、ミカンで代用されることが多いのですが、本来はダイダイ。寿ぎの気分がいっそう高まります。

「趣味の園芸」1月号の特集は「冬こそインドアグリーン」

縁起物植物から新しい植物の楽しみ方を発見できましたね。テキストでは、縁起物植物の栽培のポイントも解説しているので、園芸初心者でも気軽にトライできますよ。
「新春を寿ぐ 縁起物植物」が掲載されている「趣味の園芸」1月号は、観葉植物特集!おうち時間が長くなる冬こそ、お部屋にうまくグリーンを取り入れて素敵な空間にしましょう。

「趣味の園芸」1月号