ベルリンの街にも、東京のように区(Bezirke)があるのをご存じでしょうか。それぞれに特徴があり、風景はもちろん住む人や空気感すらも異なる12の区。“ぶらぶら歩き” では、12か月かけてそれぞれの区の風景を少しだけ切り取って、日本の皆様のもとにお届けできればと思います。

河内秀子(かわち・ひでこ)
1976年東京都生まれ。2000年からベルリン在住。ベルリン芸術大学マイスターシューラー課程修了。日本の雑誌媒体を中心に、ライター、テレビのコーディネーターとして活動している。ツィッター @berlinbau

2023年3月号の街の音

ベルリン市の12区、最後を飾るのはシュパンダウ。中世から残る旧市街を歩き、個性的な地下鉄駅を楽しみながら、16世紀に造られたツィタデレ要塞へ。ツアーでは特徴的な稜堡(Bastion)など、この要塞の歴史について解説してもらえます。最後は敷地内にある、撤去された記念碑を集めた常設展へ。ちょうど歴史的な楽器を使った音楽祭のリハーサルが行われていました。



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2023年2月号の街の音

今回はノイケルン地区。本文でも取り上げた「ゾンネンアレー(太陽通り)」を走るバスの車窓からの眺めから始まります。アラブ系の飲食店がひしめき合う様子はノイケルンならではの風景。そこからさらに南下して、風車が印象的なブリッツァーガルテンへ。金曜日と土曜日にはここで挽いた粉を使ったパンを買うこともできるんですよ。



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2023年1月号の街の音

今回はライニッケンドルフ地区。ここにはかつてテーゲル国際空港がありました。タクシーかバスでしか行ったことがなかったこの場所に、自転車で向かいました。細い通路を抜けると大きな青空が広がり、特徴的な形をした管制塔が見えてきます。そこから地下鉄6番線でボルジッヒヴェルク駅へ。「ボルジッヒ機関車・機械工場」があった場所には、ナチスに抵抗し命を落とした工員たちの「つまづきの石」と呼ばれる慰霊碑が残されています。



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2022年12月号の街の音

今回は、かつて東ドイツと西ベルリンの国境があったシュテーグリッツ=ツェーレンドルフ地区へ。ハーフェル川にかかるグリーニッケ橋中心がその国境。周囲をさえぎるものがないこの橋は、冷戦時代には捕まった諜報員や重要人物を東側と西側が交換する場「ブリッジ・オブ・スパイ」でもありました。
それから30年以上が経った今、橋を通って東と西を行ったり来たり、戻っても、立ち止まっても、誰にとがめられることもありません。笑い声に橋の下をのぞいてみたら、大きな遊覧船がバーベルスベルクのお城のほうにゆったりと進んでいきました。



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2022年11月号の街の音

今回はリヒテンベルク地区。19世紀から労働者が集まった地区にはドイツ初の“プラッテンバウ“をはじめ、さまざまな時代の団地が立ち並び、団地好きにはたまらない場所です。
その団地群の一角には40年もの間、東ドイツの国家保安省(シュタージ)本部がありました。現在は独裁政権時代の膨大な資料を研究し、すべての人に民主主義について考えてもらうための資料館として、一般公開されています。



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2022年10月号の街の音

10月は東西ドイツ再統一記念の月! ということで、今回は旧東ドイツ時代に造られた新興住宅地、マルツァーン=ヘラースドルフ地区を取り上げました。東ドイツ最大のプレハブ建築集合住宅群を「世界の庭」からゆったりと見下ろします。そして「プラッテンバウ」と呼ばれるこのプレハブ建築の歴史をいまに伝えるミュージアムから、ガイドさんのインタビューを。
61平米3部屋のアパートが、光熱費や管理費込みで109東ドイツマルク。システムキッチンはわずか4東ドイツマルクだったそうです。1東ドイツマルクが0.50ユーロくらいの感覚だとしたら、ひと月の家賃は1万円しないくらいでしょうか?驚きです!



2022年9月号の街の音

今回はシャルロッテンブルク=ヴィルマースドルフ地区。初代プロイセン王、フリードリヒ1世の王妃ゾフィー・シャルロッテの名前を冠する地区の入り口には、いまも彼女の像がある門が残されています。門のそばの6月17日通りでは毎週末大きな蚤の市が開催され、大賑わい。大通りを西に3kmほど走って、シャルロッテンブルク宮殿へと続くシュロス通りへ。静かな庭園の木陰を散歩しながら、時折現れる美しい宮殿の姿を楽しみます。



2022年8月号の街の音

今月はベルリン市民の避暑地(?)トレプトゥ=ケーペニック地区にある新ベネチアからお送りします。鳥の声が響く、水と緑の静かなオアシス。この地区の運河と交差する道には全て鳥の名前がついているようで、橋桁には鳥をモチーフにしたレリーフが見られます。動画に映っているのはFink(ヒワ)でしたが、ほかにもBachstelze、Drossel、Rotkehlchen、Elster、Lerche……。皆さんはどれくらいドイツ語の鳥の名前をご存知でしょうか? 分からない方は、ぜひ辞書を引いてみてくださいね。



2022年7月号の街の音

今回はテンペルホーフ=シェーネベルク地区からお送りします。足を運んだのはテンペルホーフ空港の滑走路跡地を生かした、ベルリン市民の憩いの場「テンペルホーファー・フェルト」。空港の跡地ということもあって、とにかく広い! カイトボードやスケートボード、凧上げなど、思い思いに楽しむ人で賑わい、あちこちから子どもたちの笑い声が響きます。



2022年6月号の街の音

今回は、ベルリンの中心部にあるミッテ地区からお届けします。実はベルリンは「デモの首都」。毎年5000前後ものデモがベルリンで行われますが、ミッテは政治の中心地でもあるため、この地区での開催が最多。昨年9月、そして今年3月に開催された気候変動問題に対する大規模デモの、そして「和解の礼拝堂」で毎週土曜日に行われている、平和を願う鐘つきの音をお届けします。



2022年5月号の街の音

今回はクロイツベルク=フリードリヒスハイン地区、本文でも取り上げたコットブッサー・トーア駅周辺の映像をお届けします。多くの人たちでにぎわう運河沿いのターキッシュマーケット。威勢のいいかけ声はドイツ語のはずなのにさっぱり聞き取れないのが、逆に面白かったり。そして窯に貼り付けて焼く自家製パンがなんとも香ばしい、人気のクルド料理のお店にも足を運びます。



2022年4月号の街の音

今回はパンコウ地区の、旧東西ドイツ検問所があった場所を越え、西側へと走りぬける「トラムM13番線」の映像をお届けします。臨場感あふれるトラムの車内放送、そして駆動音を聴きながら、国境が最初に開いたベーゼ橋や今も残る壁の一部、そして壁崩壊の夜の様子を写した写真パネルなどをご覧ください。
壁に沿って植樹されている冬咲きや早咲きの桜の、可憐な姿もお見逃しなく。