2月のおすすめ1つ目は、趣味どきっ!2-3月号『名画に学ぶ にっぽん 筆ペンイラスト』より鳥獣戯画の回を抜粋してお届けします。

鳥獣戯画


墨一色で描いた『鳥獣戯画』は『鳥獣人物戯画』とも呼ばれ、最も広く日本人に知られ、親しまれてきた絵巻物です。わかっているのは、おおまかな制作年代だけで、誰がどんな目的で作らせたのか、制作者や絵師は誰か、などの詳細は明らかになっていません。さらに、ほかの絵巻と異なり、説明文(詞書)は一切ないので、見る人の想像力によって、さまざまに解釈することができます。 
そんな「謎の絵巻」は、現在、甲(こう)・乙(おつ)・丙(へい)・丁(てい)の4巻をまとめて、1つの作品としています。

Part1 躍動感のある線で、主役の動物を描く ―投げ飛ばされたウサギ


『鳥獣戯画』といえば、最も印象的なのがウサギ。カエルと相撲をとって、負けたウサギがなぜか大笑い。楽しそうなウサギの表情と勢いのある線を意識して描きましょう。

用意するもの

・硬質タイプの筆ペン(黒の細字)
・軟質タイプの筆ペン(黒の太字)
・お手本(とじ込み付録を参照)
・なぞり描き用の紙(ここでは半紙を使用)
・練習用の紙
・マスキングテープ

使用する筆ペン

『鳥獣戯画』は、主にこの2つの筆ペンを使って描きます。

1本でかたい線(細字)とやわらかい線(太字)の両方が描けるタイプ。グレーの筆ペンは立体感を出すために使用します。


描いてみましょう

①お手本の上になぞり描き用の紙を重ね、左右をマスキングテープで固定する。どんな紙でもよいが、お手本の下絵が透けて見える程度の薄手のものを選ぶ。

②顔の輪郭を太く描いたら、そのまま両耳を描く。耳の端は、強い線と弱い線を意識して。

③ウサギの足は強じんな筋肉を持っている。その足腰の力強さは、線に強弱をつけて描く。毛はやわらかなタッチで。

④大きな口を開けて、楽しそうに笑っている表情を描く。

⑤背中のラインは、一筆で勢いをつけて強く描く。下から上へ描くと、力強い線が描ける。

⑥黒い筆ペン(細字)で、耳の太い線の隣に細い線を描き足して、内側に丸まっている感じを表現する。

完成!

躍動感のあるウサギの出来上がり。

筆ペンで気軽に名画を再現することができます。ぜひ、おうちで試してみてください。

趣味どきっ!「名画に学ぶ にっぽん 筆ペンイラスト」