100作品に及ぶテキストの「はじめに」から厳選した「名著が読みたくなるフレーズ」をお届けします。

 

71~80作品目は?

――読み進めるうちに、『ソラリス』は特別に強い力をもって読者を引き込む作品であることがわかり、私は単におもしろいというよりは、むしろ、恐怖のような感覚を覚えました――

71/100 スタニスワフ・レム『ソラリス』 講師:沼野充義さんによる「はじめに」より

――『南洲翁遺訓』は政治家や組織のリーダー的地位にある人を意識して語られていて、非常に示唆に富む内容です。と同時に、西郷隆盛の死生観がこの書に溢れていることが、今日でもなお、西郷に私たちが惹きつけられる理由であると考えています――

72/100 西郷隆盛『南洲翁遺訓』 講師:先崎彰容さんによる「はじめに」より

――二十一世紀でも十分に通用する超近代的な人間の波瀾に富んだドラマが展開していきます。そこに現れる光と闇の葛藤が『ノートルダム・ド・パリ』の醍醐味で、現代を予言するようなテーマも描かれます――

73/100 ユゴー『ノートル=ダム・ド・パリ』 講師:鹿島茂さんによる「はじめに」より
※「100分de名著ブックス」にてお読みいただけます

――私たちは、昭和史というものを何となく知っているつもりでいます。しかし松本清張の作品を読むと、比較的近い過去ですら、実は何もわかっていなかったことに気づかされる――

74/100 『松本清張スペシャル』 講師:原武史さんによる「はじめに」より

――『法華経』は「諸経の王」と言われます。あらゆる人の成仏を説いていたからです。誰をも差別しないその平等な人間観は、インドならびにアジア諸国で古くから評価されてきました――

75/100 『法華経』 講師:植木雅敏さんによる「はじめに」より

――神谷美恵子は、「生きがい」は人間が努力して一から作り上げるものではなく、発見すべきものであるといいます。そしてその「生きがい」の発見は、自分が何か大きなものに包まれているという実感から始まる、というのです――

76/100 神谷美恵子『生きがいについて』 講師:若松英輔さんによる「はじめに」より

――あらためて『ペスト』を読みなおしてみると、遠いアルジェリアの町で起きた疫病の話というだけではなく、不愉快な閉塞感の持続という現代日本の問題が重なって、その予言的なリアリティが見に迫ってきます――

77/100 アルベール・カミュ『ペスト』 講師:中条省平さんによる「はじめに」より

――河合隼雄の著作を通読すると、一つのキーワードが浮かび上がります。それは「物語」です。彼は物語の世界から隠れた原石を掘り出す名手でした――

78/100 『河合隼雄スペシャル』 講師:河合俊雄さんによる「はじめに」より

――10代に向けた特別企画! ヤマザキマリが『星の王子さま』を、瀬名秀明が『ソロモンの指環』を、若松英輔が『走れメロス』を、木ノ下裕一が『百人一首』を語ります――

79/100 『for ティーンズ』 講師:ヤマザキマリ・瀬名秀明・若松英輔・木ノ下裕一さんによる「はじめに」より

――すでに世界的な記号学者であった ウンベルト・エーコが一九八〇年、四十八歳でいきなり小説家デビューを果たします。その作品が『薔薇の名前』です。世界での発行部数はエーコが亡くなった時点で五千五百万部です――

80/100 ウンベルト・エーコ『薔薇の名前』 講師:和田忠彦さんによる「はじめに」より

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