100作品に及ぶテキストの「はじめに」から厳選した「名著が読みたくなるフレーズ」をお届けします。

 

91~100作品目は?

――『燃えあがる緑の木』は、後期の作品のなかでもっとも重要な作品のひとつであり、大江健三郎という作家の代表作といっても過言ではない作品だと思います――

91/100 大江健三郎『燃え上がる緑の木』 講師:小野正嗣さんによる「はじめに」より

――西洋哲学が、論理で証明しようとするのに対して、西田幾多郎は「直観」あるいは「直覚」の意義を説きます。西洋哲学が、言語による証明に重きを置くのに対して、西田は非言語的なものによっても存在を認識できるといいます――

92/100 西田幾多郎『善の研究』 講師:若松英輔さんによる「はじめに」より

――『カラマーゾフの兄弟』を取り上げるにあたり、二つのことを提案したいのです。そのうち一つが、読み解きの方法論として、この小説を「物語層」「自伝層」「歴史層」「象徴層」の四つのレベル(=層)に分けて読むという方法です――

93/100 ドストエフスキー『カラマーゾフの兄弟』 講師:亀山郁夫さんによる「はじめに」より

――仕事で、地域で、あるいは友人との飲み会で、私たちはしばしば「チーム」の一員になります。そして、そこには必ずリーダーとフォロワーがいる。ですから、そのあるべき姿を描いた『貞観政要』は、どんな人にとっても役に立つ本なのです――

94/100 呉兢『貞観政要』 講師:出口治明さんによる「はじめに」より

――『力なきものたちの力』という書物は、「無力」と思われている人々の「力」に光をあてるものです。このようにみずからの言葉を通して世界の柔軟な見方を促すハヴェルの文章は、今なお意義深いものでしょう――

95/100 ヴァーツラフ・ハヴェル『力なき者たちの力』 講師:阿部賢一さんによる「はじめに」より

――「SFは専門用語がたくさん出てきて難しい」と苦手意識を持つ方もいらっしゃるでしょう。そういう方にこそいまクラークを手に取って、科学技術と物語の豊かな未来を目にしていただきたいのです――

96/100 『「アーサー・C・クラーク」スペシャル』 講師:瀬名秀明さんによる「はじめに」より

――わたしたち人間は、良くも悪くも成熟していくという変化の過程を生きています。その変化と自分はどう付き合っていくのか。そんなことを考えたときに、答えをいちばん雄弁に語ってくれる物語であるとわたしは考えています――

97/100 コッローディ『ピノッキオの冒険』 講師:和田忠彦さんによる「はじめに」より

――カントは、宇宙の果てや神の存在などの究極真理の問いは、どんなに考えても答えは出ないといいます。この主張がいかに衝撃的だったかは、カント以後、神の存在証明を試みる哲学者がほとんどいなくなったことからも明らかです――

98/100 カント『純粋理性批判』 講師:西研さんによる「はじめに」より

――吉本隆明への信頼を深めたのは、筆者が東日本大震災を直接被災したことに関わりがあります。千年に一度の大災害に直面し、躁鬱状態になっている日本人を前にして、筆者は吉本の言葉を生きていく縁(えにし)として日々を過ごしました――

99/100 吉本隆明『共同幻想論』 講師:先崎彰容さんによる「はじめに」より

――受け身だった人が時間を経てついに主体として立ち上がる。このプロセスは、私が専門とする心理療法において、クライエント(来談者)にとっても、またセラピスト(心理療法家)にとっても、非常に重要なことなのです――

100/100 ミヒャエル・エンデ『モモ』 講師:河合俊雄さんによる「はじめに」より

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